子育て中の皆さんこんにちは
ちゃちゃパパです。
前々から気になっていたのですが、うちの子の肘って逆に曲がるんですよね。
これは、過伸展(かしんてん)と呼ばれているもので、日常でもよく見かけるため、特に何もせず放置しておりました。
ふと気になり、色々と文献を読んでみたところ、少々よろしくない内容が見つかりました。
そこで今日は、その中身の紹介と、過伸展の予防について解説してみようと思います。
肘を伸ばすとなぜ止まるのか
お子さんの反対に曲がる肘を見て、
「 靭帯が緩んでいるのかな…」
と不安になるかもしれませんが、靭帯はあまり関与しないので心配ありません。
ちょっと、肘の関節構造をみて下さい。
前腕にある尺骨という骨には、肘頭という突起があります。この突起は、上腕骨にあるくぼみにすっぽりはまる構造になってます。
よって、肘を伸ばしていくと、
動画のように、骨と骨がぶつかって、それ以上は曲がらないようにロックされます。
よって、肘が過伸展する原因は、生まれつき穴が深いか、突起が小さいといった、個人差によるものだと思います。
肘の過伸展の基準は?
肘を伸展させていくと、骨がつっかえ棒のようになり、関節運動が止まることが分りました。
では、専用の角度計を使って、うちの子の肘関節の動きを計測してみます。
肘の角度は15°でした。
適正基準は0~5°となってますので、それを超える場合は過伸展と判断できます。
肘が真っすぐで止まる人から見ると、すこし不気味に感じるかもしれませんが、本人は、
別になんともないよ!
といった感じで気にしてません。では、この肘にはどのような問題があるのでしょうか?
肘の過伸展のリスクは?
色々と、本やら文献などを漁ったのですが、中々これといったものが見つかりません。
注目度が低いんでしょうね。
でも、こんな一文を見つけました。
肘関節の過伸展に伴う障害には肘頭疲労骨折、骨棘障害、滑車部OCDなどがある。
稲垣克記:上肢のスポーツ障害,昭和学会誌.2013,第73巻-3号, p.190
要約すると、普通の肘と比べると、変な方向にストレス掛かりやすいから、色々と注意しなさいよ!ってことになります。
【過伸展のリスク】
① 肘頭疲労骨折
外力ストレスにより骨が折れる
② 骨棘障害
骨にトゲができて痛みの原因となる
③ 滑車部OCD(離断性骨軟骨炎)
軟骨が剥がれ、その破片が炎症を起こす
どれも痛そうな名前ですね。
特に、成長期&運動活発な子供にとっては、余計なストレスを骨に掛けたくありません。
なんとか予防したいところですね。
肘の過伸展がクセになる原因
運動学の視点からも考えて、上腕三頭筋の筋力が弱い子は、肘の過伸展がクセになります。
上腕三頭筋が上手に使えない場合、人間は筋力ではなく、骨の支持に頼るのです。専門用語では、ロッキングと呼びます。
ちょっと、この図を見て下さい。
左の場合は、上腕三頭筋をしっかり使い、肘がこれ以上曲がらないよう制御できています。
しかし、上腕三頭筋が弱い場合は、右の図のように肘のロッキングで体重を支えるでしょう。
過伸展の状態で、全体重が肘に掛かるのですから、骨へのストレスはかなりのものですね。
う~ん、対策しておく方が
良いかもしれない…。
過伸展を予防したい
では、肘の構造と原因、過伸展によるリスクが分ったところで予防策です。
スポーツなどでは、過伸展を予防するためにテーピングによる固定が一般的です。
でも、子供には100%やらないですよねw
そこで、私がうちの子にやらせているのは、腕立て伏せです。これが1番手っ取り早く、上腕三頭筋を鍛える近道だと思います。
腕立て伏せのやり方、コツなどが書いていますので、参考にして頂ければと思います。
その他にも、ちょっとした意識が大切なので、お子さんに教えてあげて下さい。
それでは、肘の過伸展が
軽減しますように!